沖縄 蚊の始まり

沖縄にはとても変わった名の坂がある。その名はガジャンビラと言う。ガジャンは「蚊」を意味しビラは「坂」を意味する方言である。ガジャン坂、直訳すれば蚊坂である。場所は那覇の小禄から豊見城村に行く坂で小禄のがじゃんびら公園内かその付近の坂と思われる。この坂の名前には言い伝えがある。昔、沖縄から中国へ行った人が中国でブンブンと歌を歌う珍しい虫をみつけた。そのあまりにも珍しさに沖縄にその虫を持ち帰ったのである。沖縄に帰ったその人が那覇の港から垣花の坂まで来ると、箱の中に入れた虫の歌う声が聞こえなくなっていた。不思議に思って箱を開けると、箱の中の歌う虫はすべて飛んで行ってしまったそうである。その人が持ち帰ったのはガジャン(蚊)であった。その時以来、沖縄には蚊が出てくるようになり、その坂をガジャンビラと言うようになったという事である。現在、坂の所在ははっきりしませんが空港通りが那覇と糸満を結ぶ331号線に合流する付近に「がじゃんびら公園」があり、これは実在しています。


ガジャンビラ(蚊坂)がいったいどこにあるのか興味を持ったがはっきりここであるという資料になかなか出会えなかった。渡地から渡し舟に乗り対岸の垣花に渡る。そこから小禄に向かう坂が私の探しているガジャンビラである。地図で探すと那覇港の南側の高台にガジャンビラ公園がある。どうやらこの近くの坂らしい。左の地図は沖縄歴史地図の明治初年のものである。ここにははっきりと「蚊坂」と書かれている。

がじゃんびら公園から撮影
現在の渡地(現通堂町) 唐から蚊を持ち込んだ人物は唐から着いた後、この渡地から渡船に乗り対岸の垣花に降り立ち小禄方面に向かったと思われる。

赤丸内がガジャンビラ 赤のラインが渡船経路
大正8年の2万5千分1の地形図で調べるとそれに該当する坂は空港へ向かう国道(329)と糸満方面に向かう国道(331)が分岐して直ぐの坂がガジャンビラである。現在の坂は緩やかなカーブを描いているが旧道は急なカーブとなっている。

ガジャンビラ
ガジャンビラ 国道331号線の旧道 道はかなりきついカーブとなっている。現在は通る車も無く駐車場状態となっている。復帰前のこの道は基地内となっており、糸満方面に向かうには遠回りしていた。復帰後通れるようになった。
「南島風土記」によると付近に住む人名、又は屋号をとって「我謝の坂」から転化したのでないかとある。

解説碑
坂の途中の見晴らしの良い所にはガジャンビラの云われの解説碑が建てられている。
沖縄戦の後、坂一帯は米軍基地となったが1972年の日本復帰後国道331号線として整備された。1984年山下高架道の開通によりガジャンビラの一部は旧道となった。

がじゃんびら公園
那覇港南岸の高台に在る公園。ガジャンビラの名がある公園に行こうと思い立ち、入口を探したがなかなか見つからず公園の周りを一周してしまった。住宅街の奥まった所に入口があり非常にわかりずらい。

美空ひばりの歌碑
なぜか美空ひばりの歌碑がある。
美空ひばりが歌った「花風の港」は沖縄を題材とした唯一の歌で琉歌の花風をモチーフとしているという。

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